どうも、ケイトです。
世界史と宗教は密接に関連していて、登場人物たちのモチベーションの多くが宗教や指示する宗派が元になっていたりします。
今回はそんな三大宗教についてまとめていきます!
Contents
三大宗教とは?
イスラム教
仏教
キリストとイスラムの共通の神 ユダヤ教とは?
キリスト教とイスラム教は、ユダヤ教から派生した宗教です。2つの宗教を理解する上での前提となりますので、簡単にユダヤ教について説明しておきましょう。
ユダヤ教の神様は唯一絶対神、「ヤハウェ」で、一神教です。ひとつの神様が、万物をつくっているという考え方です。
古代の宗教のスタンダードは、多神教だったので、ユダヤ教やゾロアスター教は珍しい部類でした。キリスト教やイスラム教へ派生し世界に爆発的に広まったおかげで、現在は一神教の方がスタンダードなまでありますね。
さて、ユダヤ教はかなり厳しい宗教の部類で、規律を破ると罰せられました。
簡単に言うと、「ユダヤ人であれば、神様の言うことをちゃんと聞けば神様に愛してもらえる」という教えだったんですね。キリスト教やイスラム教と対比をしてみて下さい。
キリスト教

現在22億人が信仰。世界の3分の1が信仰しています。聖典は旧約聖書・新約聖書です。
創始者と成り立ち
キリストの創始者は、ユダヤ人であるイエスです。パレスチナの人間で、もとはユダヤ教徒でした。パレスチナはローマ帝国に支配されている状態ですね。
イエスは33歳で命を落としますが、30歳まで本当に普通の青年で、日雇いの肉体労働者だったそうです。(ちなみに当時のパレスチナの肉体労働者は社会的地位は低かった)布教に使った時間は1年半ほどだったんですね。
ある日突然日雇いの労働を辞めたイエスは、洗礼者ヨハネという人物に弟子入りします。そこで具体的に何があったのかはよく分かっていませんが、右腕的な地位まで上り詰めたそうです。(イエスの生涯について、死後100年後くらいに書かれた聖書にしか残っていないので、、、)
さて、イエスにはユダヤ教に対して納得いかないことがありました。思い出してみましょう。
ユダヤ教の教えは「ユダヤ人であれば、神様の言うことをちゃんと聞けば神様に愛してもらえる」でしたね。
ここでイエスは、「ユダヤ人であれば」という部分に引っかかりを覚えました。ユダヤ教は、ユダヤ人しか救われないというものでしたが、「神の愛は全人類に注がれているんだ」と考えたんです。
さらにイエスは「神様の言うことをちゃんと聞けば神様に愛してもらえる」という部分にも疑問を抱きました。
トーラーと呼ばれる神との約束事に対して厳しめなユダヤ教に対して、「神様はもっと愛情深い!厳しくない!」と。イエスは「愛」について語り続けました。人間として寄り添う、平等なのが大事だと。
しかし当時は全くもって理解されませんでした。神との約束事を守らない人に対して、「寄り添う」なんてどうかしてると。
あげくには弟子(ユダ)に裏切られ、ローマ帝国の支配層への反旗を翻したとして、政治犯としてローマ当局に逮捕されます。
そしてむち打ちの拷問を受けた末に、共犯になりたくない弟子全員から見捨てられ、ユダヤ人をローマ帝国から救ってくれると救世主(メシア)として期待していた一部の民衆からも失望され、十字架の刑に処されます。33歳でした。
聖書ではイエスは生き返り、教えを説いたとされています。一方で、イエスを裏切った弟子達でしたが、良心の呵責に耐えられなくなり、師匠の教えを語り広めたために、キリスト教が広がっていったという説もありますね。
キリスト教に関する歴史まとめ
イスラム教

15億人が信仰している宗教で、主に東南アジアなどで広まっています。聖典はコーランですね。
創始者と成り立ち
イエスの生まれから約600年後。イスラム教の創始者はムハンマドです。ムハンマドは商人で、いわばビジネスマンでした。
順調ではありましたが、歳を追うに連れてだんだんと悩みが増え、深くなっていきます。40歳くらいになると、洞窟に籠もって瞑想をしたりするようになります。中年の危機でなに始めるような感覚に近かったのかもしれません。
あるとき、いつものように洞窟で瞑想していると、天使ガブリエルから、突然胸ぐらをつかまれ「これを読め」と迫られます。そして、これが掲示となりイスラム教が始まったと言われています。
ムハンマドは「胸ぐら掴んで「読め」とか悪魔かよ」と思ったというような説もあるところですwwムハンマドは年上の奥さんがいましたが、帰って相談したところ「神の啓示だ」とフォローし、後押ししたと言われています。
奥さんはイスラム教の一番最初の信者とも言えますね。
イスラム教とユダヤ教とキリスト教の違い
イスラム教の思想もまとめておきましょう。
かなり厳しめの神様であり、ユダヤ教の神を引いています。「コーランに書かれた厳しいルールに対して、自分を律し、実際に行動をすることで神の意にかなう」という考えを持ちます。
しかし一方で、ユダヤ教のように「ユダヤ人だけが」という限定的な救済ではなく、「神の前では人々は平等で人種とか関係ない」というグローバルさがイスラム教の特色です。
また、「イエスは神、神の子、預言者である」という三位一体説が唱えられるキリスト教に対して、イスラム教では、「イエスは最後の預言者なんかではなく、ムハンマドも「預言者」であり、ムハンマドとイエスと同列なんだ」という考えを持ちます。キリストの前提条件、全崩しですね(苦笑)
イスラム教が布教した時代背景
アラビア世界では移動しながら生活する遊牧民が基本。部族に別れ、血筋が重視されており、その血筋の違いが争いが生まれ、戦争が当たり前でした。
そんな死と隣り合わせの世界では、殺し(戦争に勝つ)に酒に女。生きている今瞬間を楽しんでいく価値観を持っていたようです。
このように生きるを楽しむ人々でしたが、同時に「死んだ後どうなるん?」という不安を抱えていました。不安をごまかすために、また今を生きる、騒いで楽しむことをやっていたわけですね。
これに対してムハンマドは、「血縁重視、過去がどうであったかで人の価値を決めるのはおかしいでしょ」「神様の前では人は平等なんだから、血筋なんて関係ないんだ」と説くのです。
この考えの元では、部族同士で同盟を結ぶことも可能になり、人々に衝撃を与えました。
部族の中にはムハンマドに戦争をしかけるところもありましたが、リーダーシップとマネジメント能力など、戦いのセンスがあった彼は快勝を重ねていきます。
ムハンマドは初めメッカという場所で布教し、奥さんが亡くなった後メディナに移り、どんどん布教していきました。そして最終的に、アラビア半島全域で、イスラム教が広がったとされています。
死後に広まったキリストではなく、ムハンマドは生きている間に思想を広めたんですね。
イスラム教の歴史
仏教

4億人ほどが信仰している宗教。東アジア中心で信仰され、日本でも馴染みがありますね。
創始者と成り立ち
創始者はゴータマ・シッダールタという人物。生まれはインド。サーキャ族の王子で、貴族でした。食事に遊びに充実し、武芸も勉強も何から何までこなし、29歳までは普通に何不自由なく生活をしていました。
しかし彼は突如、王宮から抜けだし、出家します。
出家の理由として説は様々ありますが、最も語られているのはこの話。王子の仕事をしながら、一歩王宮から抜け出たとき、病人、老人、物乞い、城壁の中とは全く違う世界が広がっていました。それを目の当たりにしたブッタは、「なぜそうなのか」「生きるってなに」「いずれ自分も死ぬ」など、物思いに耽っていきます。
そうしてどんどん悩んで苦しくなった彼は、出家して悩みを解消したいと思い立つわけです。
出家の意志を家族に話しますが、当然王子であるため家族から猛反対を受けます。しかしどうしても出家したい彼。このタイミングで生まれた彼の息子には「ラーフラ(束縛者)」という名前を付けるほどでした。(のちのち弟子になります)
そして、ブッダの父親が息子の出家を止め、結婚させるために開いた宴会が最後の引き金になりました。煌びやかな装飾、500人の美女とのハーレム状態に欲求を止めることのない性交。夜中、ブッダはとてつもなく虚しくなり、家出をした、と言われています。
ブッダは剃髪し、服も質素なものに着替え、修行に入ります。修行には瞑想か苦行の二種類に分れ、どちらも取り組みました。
彼は修行も才能があり、瞑想も苦行もあっという間に師匠を超えてしまうほど。その分満足いかなかったブッダは、特に苦行を極め、食事を減らしゴマ一粒で生きる、直射日光にあたる、ひとつの場所から絶対に動かない、など自分をいじめ抜き、苦行のプロフェッショナルになっていきます。
誰よりもストイックにやり抜いた彼は「苦行は意味ない」という結論に行き着きます。つまり、「苦行をどれだけやったって悟りを開けない」と悟ったブッダは、やることを瞑想に絞るのです。そして、その瞑想中に悟りを開きます。
思想
カースト制度を基本とするバラモン教という古代宗教を否定し、「人は平等だ」と説きます。その人の精神がどれだけ高まっているかが大切で、身分や権力は関係ないという考えです。
どこか、ムハンマドの思想と似たところがありますが、ブッダは悟ったのであって、「神」の概念を使っていないことを押さえておきましょう。イエスやムハンマドとは違い、自分への向き合いが中心で哲学のようですね。
ブッダは人間の苦しめているものはなにかを考え、「執着が原因だ」と説きます。例えば、豊かな暮らしへの執着から、「良い車が欲しい」「ぼろい家ではなく豪邸を買う」など、執着から飽くなき欲求が生まれていく。人は満足することはなく、苦しくなっていくのだという考え方です。
とはいえ、極端に執着がないのもよくなく、ナチュラルに生きること、どこかに偏らない丁度良さを保って生きなさいと、ブッダは言うのです。この丁度良く生きろという考えを「中道」と言います。
また、ブッダはバラモン教の輪廻転生を踏襲はしていましたが、死後の世界には本当に興味がなく、「今をどう生きるかが大事」「わかんないのに考えるのは意味がない」という考えを持っていました。「今に集中する」というのは、現代の人間にも響くところですね。
やがて弟子も増え、ブッダと同じように悟ることができた弟子も何人もいたようです。ブッダは80歳まで生き、40数年間説法を続けます。
説法は大人気の公演で、人が殺到していたそうです。王族も聞きに来て、王様も感銘を受けるほど。王様も仏教に信じて従うようになったり、祇園精舎が建てられたりもしました。(祇園精舎:富豪がブッダの説法のために寄付して建てたお寺)
仏教に関わる歴史
まとめ
昔の人が説いた教えに現在の人が心のよりどころにする。何千年も続く「宗教」の、世界に対する影響力って半端ないですよね。それだけ人の悩みって今も昔も変わらないってことでしょう。ロジックでは語りきれない宗教の世界、奥深いですね。
それでは!
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