どうも!ケイトです。
過去に三頭政治のお話を書きました。三頭政治は2回あり、結局は3人バチバチに争うっていうオチでした。
さて、今回はその続きの「五賢帝」のお話をしていこうかと思います。また、解説に加えて、速攻覚えられる、語呂合わせを使った五賢帝の覚え方を紹介していきますね。
それでは、いきましょう!
Contents
五賢帝、語呂合わせ
寝るトラハッピー丸くなる
1 ネルウァ(寝る)
2 トラヤヌス(トラ)
3 ハドリアヌス(ハッ)
4 ピウス(アントニウスピウス)(ピー)
5 マルクス・アウレリウス・アントニヌス(丸くなる)
オクタウィアヌスが権力を握る
まずは、三頭政治のお話からちょっと復習しましょう。2回目の三頭政治では、アントニウス、オクタウィアヌス、レピドゥスの3人がトップに立っていましたね。
この3人の中で、カリスマ性を発揮し出したのが、オクタウィアヌスでした。リーダーシップをとって、周りの様々な国を平定して着々と領土を広げていったのです。
しかし、途中からこの3人は仲間割れし出します。
特にアントニウスは政治そっちのけでクレオパトラにメロメロになり、やがてエジプトサイドにつくようになります。
アントニウスはクレオパトラの住むエジプトを、ローマに支配されないように、カリスマである、オクタウィアヌスと対立し始め、これが戦争になっていくわけです。
その戦争の名前が、、、、、そう!アクティウムの海戦でした。
結果としては、カリスマ的存在のオクタウィアヌスが勝利。海戦を終えたオクタウィアヌスは権力の頂点にたちました。
2人の争いが終わりオクタウィアヌスが完全にトップに立ったことで、その時代の社会不安やそれによって引き起こされていた内乱が綺麗さっぱり解決します。
ここからの話が五賢帝に繋がっていきます。三頭政治を理解していないと、話が繋がらないので、ここまで復習としてお話してきたわけです!もうばっちりですね!
さて、アントニウスとの戦いや、リーダーシップをとって領土を広げていく様を見ていた、元老院は、オクタウィアヌスに感心します。
ちなみに、元老院というのは、ローマにあった国の最高意志決定機関で、議員を選出し、彼らが意志決定をするところでした。
同時に、オクタウィアヌスは、過去のカエサルの事例から学び、元老院を尊重する姿勢をみせていました。
カエサルは、元老院の権限をどんどん奪っていき、既得権を侵害していったことで、仲間のブルートゥスを含めた人々に暗殺されたのでしたね。
元老院はそんな姿勢を示すオクタウィアヌスに「アウグストゥス(尊厳者)」の称号を与えます。実質的に、彼一人に国の全権を委ねたのです。
彼は、知的でクールだったそうで、大伯父のカエサルとは違い、人々の望む共和政を尊重しました。共和政というのは、主権が国民にあり、国民が選んだリーダーや複数の統治機関が国を治めるという形です。王や君主がいないといえば分かりやすいかもですね。
また、民主政は共和政の一形態で、国民が選ぶにしても、労働者や貧しい人、女性も含めた全国民から、選ぶなど、「国民」の幅が広くなった形態といえるでしょう。
話を戻します。
そして、彼は市民の中の第一人者(プリンケプス)と自称し、「私は独裁者ではなく、あくまでも一市民なんだ」ということをアピールしています。
オクタウィアヌス
アウグストゥス
プリンケプス
全部同一人物なので、混乱しないようにして下さいね。
さらに、ひとりの人物が全政治権力を握り、政治を動かす、この政治を「元首政(プリンキパトゥス)」といいます。
ちなみに、ひとりの皇帝が国をおさめることを、「帝政」といいます。
帝政と何が違うかと言えば、実質的に統治権を一人の人間が握っているものの、民会や元老院などのその他の統治機関も尊属しており、形の上では権力は分散しているという点です。
また、皇帝の地位は、民衆から選出される形をとっていました。
平和な時代「パックスロマーナ」
プリンキパトゥスが始まり、皇帝が選出されるようになりました。
これからの200年間は「ローマの平和(パックスロマーナ)」と呼ばれています。空前の繁栄と平和が訪れたのです。特に五賢帝と呼ばれる5人の優れたリーダーの時代は最盛期でした。
それが、
ネルウァ
トラヤヌス
ハドリアヌス
アントニヌス
マルクス=アウレリウス=アントニヌスの5名です。
それぞれ簡単に解説していきます。
温厚で、古い時代と新しい時代の中継ぎ役を勤めたネルウァ。
今のルーマニアを征服して、ローマの領土を最大にしたトラヤヌス。
その領土を守るために城壁をつくったハドリアヌス
最も平和だったといわれたアントニヌス
「哲人皇帝」といわれ、哲学者とも活躍して書籍も残した、マルクス=アウレリウス=アントニウス
また、良い時代が訪れたことに伴ってローマ風の都市がどんどん建設され、水道の設備なども整っていきました。ちなみに、ローマ人の水路の整備はすぐれており、水道橋や、トレビの泉など今に残っているものも多いそうですよ。
また、商業活動も繁栄し、季節風を利用した貿易で、中国、東南アジア、インドからは絹や香辛料がもたらされましたし、ローマの金貨が世界中に流れました。
五賢帝、語呂合わせ
では語呂合わせを確認して、この部分をバッチリにしておきましょう
寝るトラハッピー丸くなる
1 ネルウァ(寝る)
2 トラヤヌス(トラ)
3 ハドリアヌス(ハッ)
4 ピウス(アントニウスピウス)(ピー)
5 マルクス・アウレリウス・アントニヌス(丸くなる)
いくらトラといっても、猫ですから、寝るときは丸くなるのです。
もうばっちりですね!
3世紀の危機
しかし、そんな明るい世の中も永遠には続きません。マルクス=アウレリウス=アントニヌス帝の治世の終わりがけあたりから、ローマは財政難や不景気に陥っていきます。
財政難、不景気になった理由として、平和になって征服戦争がなくなったために、奴隷が入ってこなくなったこと
があげられます。奴隷が働くことで回っていた農家はやってけなくなるからですね。
そして、奴隷の減少により、奴隷を使った大土地所有制(ラティフルディア)が衰退し、小作人(コロヌス)を使って農業をする小作人制(コロナトゥス)が導入されていきます。
この小作人制度は、農奴の前身だと言われ、自由人ではあるものの、主の土地に縛られて生活することになりました。この移動の自由の制限は、現在の憲法の精神に深く影響していて、居住移転の自由などは、公権力による制限からかなり厚く守られる権利となっています。
また、皇帝が暗殺されたり、貴族の家の内輪もめなどがあったりして、政治は混乱に陥っていきます。その挙げ句、軍人が推されて皇帝になるなど、「軍人皇帝」も生まれていきます。
さらに、外からの侵入が増えたほか、混乱のゆえに内乱が各地で勃発し、その処理のために軍事力にお金をかかります。
都市には重税が課され、没落する人が増えることで経済も回らなくなります。(貧困化して都市から逃げた人は小作人(コロヌス)になっていきました。)
経済も低迷、皇帝もでたらめで帝国はだんだん混乱していきます。ここからの時代は、「3世紀の危機」とも呼ばれます。
元老院と争い、帝位を勝ち取るもすぐに殺されたり、戦死したりするという安定しない時代であり、「軍人皇帝時代」とも呼ばれる時代への突入です。
この時代は50年ほどありますが、皇帝は26人もおり、唯一生き残ったのは1人だけという悲惨な有様でした。
まとめ
いかがでしたか?五賢帝のお話でした。ストーリーも押さえながら、楽して覚えていきましょう。
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