どうも、ケイトです。
テマ制、屯田制、プロノイア制、どれがどういう意味だかしっかり説明できますか?でも教科書ってあんまり分かりやすくないんですよね。
ということで今回はテマ制、屯田制、プロノイア制の違いについて分かりやすく解説していきます。
Contents
違い
テマ制、屯田制、プロノイア制の3つの言葉の違いをサクッと紹介します。
平常時と緊急時の役割をはっきりさせるための制度 ↓ 軍管区制・・・司令官へ向けた、平常時と緊急時の役割をはっきりさせるための制度 屯田制・・・農民へ向けた平常時と緊急時の役割をはっきりさせるための制度 プロノイア制・・・国を守るために軍役と引き換えに、貴族に領地と徴税権を与えた制度
それでは詳しく解説していきます。
軍管区制、屯田兵制ってなに?
世界史の教科書を読んでると、ビザンツ帝国のところで、軍管区制(テマ制)って出てきますよね。そうかそうか。そんな制度があるのかと読み進めると、屯田兵制が出てきます。
私は高校生の頃、え?ふたつ?とか思っていました。ふたつも出してくんなと教科書を読みながら悪態づいていましたが、あなたは二つを区別してしっかり理解していますか?
それでは順番に解説していきますね。
この制度ができた頃としては、ゲルマン人の大移動の時です。大移動に伴ったゲルマン人の侵入を防ぎたかったビザンツ帝国は、帝国をいくつかに分け守りを強化します。
自分一人で財産を守るよりも、信頼できる何人かに預けて管理した方が、すべて失わずに済みますよね。
そして、帝国を分けた1つ1つを軍管区と呼びます。でてきましたね。軍管区。
これからでてくる、軍管区制、屯田兵制はこの「軍管区」を守るためのルールなんです。そしてなぜ二つあるのかといえば、対象者が違うからです。詳しく言えば、
政治を行うようなお偉いさんへの制度を軍管区制(テマ制)。
農民への制度を屯田兵制。
こういう感じなんです。
さて、「軍管区」を守るためのルールと言いましたが、どのようにして守るのか、制度の内容は?というのが気になるところですね。これらの制度のポイントは平常時と緊急時の役割です。対象者が違うだけで、やっていることは軍管区制も屯田制も同じです。
それではどんな役割なのかを解説しましょう。
軍の司令官である人は行政官でいて下さい。普通の人は農民でいてください。というのが平常時のルールです。
しかし、ゲルマン人が侵入してきたりして戦わないと行けない時は、行政官は軍司令官に、農民は兵士になってください。
こうして、平常時と戦時の役割分担をしたわけですね。軍司令官向けなのは、軍管区制であり、農民向けなのは屯田制です。
ちょっとこんがらかってきたかもしれないので、表にしてみるとこんな感じ。
つまり、軍の司令官は平常時は行政をよろしく、戦時には軍を指揮してね、というのが軍管区制。
農民は、軍管区で土地をあげる代わりに、戦時には兵士になって戦ってね、というのが屯田兵制。
OKですか?
こういう制度をつくることで、侵入があっても混乱が起きずに迅速に戦うことができます。戦うことができれば、軍管区を守れますよね。
軍管区制は成功します。
中央集権の統治体制もできあがりましたし、コロヌスを用いた大土地所有制の時よりも、自分の土地を耕す自由農民が増えて貧困格差が少なくなり、帝国の経済が成長します。
ビザンツ帝国が長い間統治ができた秘訣ですね。
ビザンツ帝国の復習はこちらから↓
プロノイア制
順調かと思いきや、また大土地所有制が復活してしまうのです。
原因としてはイスラーム勢力の強大化。
イスラームの攻撃力はとてつもなく、ビザンツ帝国の軍はだんだん歯が立たなくなってしまいます。
戦いに負けて報酬も入らず、また武器や防具にはお金がかかりますから、中小農民、つまり屯田兵は没落していきます。
そんな中貧しくなった彼らをみて、ニヤリとした人々がいます。
それが貴族です。
仕事と食べ物に飢えた農民達が増えたのをチャンスだと思った貴族達は、貧しくなった屯田兵をとりこんで、農奴として自分の土地で働かせました。
貴族は雇っても安上がりな農奴をつかって農園を経営し、どんどん大土地所有を進めていきます。
軍はイスラムに負けるわ、大土地所有制は復活するわで、皇帝は困った困った(汗)
皇帝は考えます。今やることはなにかと。答えは明白でした。
「うん。国を守ろう。」
ひとまずイスラームに対抗し、国を守ろうと、有力な貴族の手を借りる作戦にでます。軍が強くなれば、国も守れ、報酬があれば、自由農民も増えますもんね。
ということで皇帝は、貴族に
土地を所有することを認めるよ!徴税権も渡す!でも軍役もお願いします!
と頼むのです。
「土地ももらえて、税金もとっていいんか、、、それならいいかな」と貴族がそれを承諾してできたのが、そう、プロノイア制です。
プロノイア制はつまり、国を守るために軍役と引き換えに、貴族に領地と徴税権を与えた制度なんです。
違い
おさらいしておきましょう。
平常時と緊急時の役割をはっきりさせるための制度
軍管区制・・・司令官
屯田制・・・農民
プロノイア制・・・国を守るために軍役と引き換えに、貴族に領地と徴税権を与えた制度
もうばっちりですね。
おまけ:ビザンツ文化
ビザンツ文化は、オリエント、ギリシア、ローマの文化が混ざり合ったとても豊かな文化です。この文化は、キリスト教やイスラーム教などにも影響を与えました。
また、今後登場するルネサンスの基盤にもなっている、ビザンツ帝国の文化をさらっていきます。
公用語
ビザンツ帝国はギリシア正教の国で、公用語はギリシア語でした。
建築
ビザンツ帝国は古代ギリシアの文化遺産を受け継ぎ、この後出てくるイタリアルネサンスに強い影響を与えています。ドームとモザイク壁画を特色とするビザンツ様式の教会建築が有名です。
例えばハギアソフィア聖堂や、サンヴィターレ聖堂ですね。
美術
また、イコンと呼ばれる聖母子像などを書いた美術もとても有名です。
まとめ
いかがでしたか?
テマ制、屯田兵制、プロノイア制の違いについて理解できたと思います。少しずつの積み重ねが合格に繋がりますからね!
いまだけ無料配布しているやみくもに暗記せずに世界史の偏差値を50から60する方法もぜひゲットして、偏差値10くらい上げてみましょう。
それではまた会いましょう!
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